【uscpa】2019年AICPAリリース問題の解説【FARその1】

迷いし<br>サラリーマン
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先日NASBA公式ツイッターアカウントが呟いてたAICPAリリース問題の解説ってありませんか?

AICPAリリース問題とは?

2019年10月16日にNASBA公式ツイッターアカウントがこんなことを呟いてました。

AICPAは年に一回uscpa関係の予備校や出版社へ過去問を配布します。その問題をAICPAリリース問題と言います。リリース問題は過去に本試験で実際に出題された問題であり、リリースされることに伴い二度と同じ問題は出ませんが、ぜひ演習してみましょう。本試験のレベルを実感できます。

二度と同じ問題は出ませんが、よく似た類題は本試験で出題されているというのが噂。微妙に問題文や選択肢を変えているので表面的には異なる問題ですが、本質は同じです。

そんなAICPAが予備校ではなく、一般ピープルに向けて問題をリリースするのはこれが初の試み?だと思います。独学の方にも公平に情報を与えるべきだという配慮でしょうか。

NASBAからのリリース問題はこちらから

限定公開問題の特徴

2019年10月1日から12月31日までの限定公開のようです。

その他特徴は資料の最初のページから以下を引用。科目ごとに問題数がどれだけあるかわかりますね。

The document includes:

・40 MCQs from the Auditing and Attestation (AUD)

・25 MCQs from the Business Environment and Concepts (BEC)

・50 MCQs from the Financial Accounting and Reporting (FAR)

・25 MCQs from the Regulation (REG)

Each MCQ includes the following attributes:

 Question  Answer choices  Item ID (unique question identifier)

 Key is the correct answer 

 Content coding to the Blueprints effective July 1, 2019

 o coding schema = ABC.00X.0YY.0ZZ

  ABC = Exam section (AUD, BEC, FAR, or REG)

  00X = Blueprint Area (001,002,003,004,005 that corresponds to I,II,III,IV, V in the Blueprints)

  0YY = Group within the Blueprint Area (001 through 012 that corresponds to A through L in the Blueprint)

  0ZZ = Topic within the Blueprint Group (001 through 010 that corresponds to 1 through 10 in the Blueprints)

 Skill coding to the Blueprints (Remembering and Understanding or Application)

めちゃくちゃ大事なのが問題ごとにBlueprintsの該当箇所を示してくれていること。Blueprintsとは辞書を引いてみると「青写真」以外に「(詳細な)計画」とあります。

簡単に言えば、Blurprintsとは出題範囲とお考え下さい。AICPAのウェブサイトを見るとuscpaの出題範囲が科目ごとに明確に定義されています。別の記事でBlueprintsの重要性を述べようと思いますがここでは割愛。

FARの問題を解説

Q1 概念フレームワーク

Accrual accounting involves accruals and deferrals. Which of the following best describes accruals and deferrals?

A. Accruals are concerned with expected future cash receipts and payments, while deferrals are concerned with past cash receipts and payments.

B. Accruals are concerned with past cash receipts and payments, while deferrals are concerned with expected future cash receipts and payments.

C. Both accruals and deferrals are concerned with expected future cash receipts and payments.

D. Both accruals and deferrals are concerned with past cash receipts and payments.

accrualsと deferralsの理解を問う知識問題。 経過勘定ですね。

選択肢を見てみると2×2の場合分けで正しいものを選ぶ構図です。

理論で考えて一発で答えに持って行ってもよいですが、少し迷った人は具体例を当てはめればよいです。

accrualの例を一つ思い浮かべてみましょう。当期に使った電気代が翌月末支払だったとします。発生主義に基づくと費用は当期に計上し、cash paymentは翌月(=future)ですね。よってaccrualはfuture cash paymentと組み合わさる。

同じようにdeferralの具体例を考えましょう。期中に向こう1年分の保険料を払うとします。期中なので期末からはみ出た期間分の費用は前払保険料と整理して翌期に費用計上します。前払保険料を費用化するタイミングで考えると、cash paymentは前期(=past)に行われました。よってdeferralはpast cash paymentと組み合わさる。

accrual=future、deferral=pastとなっている選択肢はA。

具体例が思い浮かべられない人は記憶を引き出す訓練だと思ってください。この思い出そうとする練習が記憶の定着にめちゃくちゃ重要。

Q2 包括利益

During the current year, Cooley Co. had an unrealized gain of $100,000 on a debt investment classified as available-for-sale. Cooley’s corporate tax rate is 25%. What amount of the gain should be included in Cooley’s net income and other comprehensive income at the end of the current year?

選択肢の数字は順にNet income /Other comprehensive income

A. $100,000 $0

B. $75,000 $25,000

C. $25,000 $75,000

D. $0 $75,000

available-for-saleに分類される投資有価証券の未実現利益が$100,000のとき、また法人税が25%のとき、Net Incomeとother comprehensive income(OCI)はいくらかという問題。

ポイントは有価証券の分類ごとに未実現利益をどう取り扱うか。以下の表で簡単にまとめましたが、分類は大きく3つあって、①Held to Maturity (満期保有目的)、②Trading(売買目的)、③Available for sale(売却可能)。

今回は③について聞かれています。未実現利益がいくらあろうともNet Incomeはゼロ。この時点で選択肢がそうなっているのはDのみ。

OCIも$75,000でよいか、検討しましょう。まず税効果がないとして未実現利益はこんな風に仕訳を切ります。

(A) Dr) available for sale $100,000 Cr) Unrealized gain $100,000

次に25%の法人税があるため、こう調整します。

(B) Dr) Unrealized gain $25,000 Cr) DTL $25,000

(B)の仕訳で(A)のUnrealized gainのうち$25,000を消しにいってます。残っている$75,000がOCI。

25,000は評価差益に係る将来加算一時差異と整理し、繰延税金負債を計上します。

選択肢Dを見たらOCIは$75,000なので再確認できました。

選択肢Aは分類がTradingだった場合のケースですね。Tradingの場合は会計と税務の差がないため税効果がありません。

選択肢BはTradingの場合で、税効果があると思った人に選ばせる選択肢ではないでしょうか。

選択肢Cはまったく理解できていない人が選ぶもの。無理やりあてはめると、法人税であるはずの25%をNet Incomeとしてカウントし、残りの75%をOCIと考えた人が選ぶ選択肢です。

他の選択肢を見ると、間違えてもAかBであってほしいですね。

Q3 キャッシュフロー計算書

During the year, Verity Co. purchased $200,000 of Otra Co. bonds at par and $50,000 of U.S. Treasury bills. Verity classified the Otra bonds as available-for-sale securities and the Treasury bills as cash equivalents. In Verity’s statement of cash flows, what amount should it report as net cash used in investing activities?

A. $0

B. $150,000

C. $200,000

D. $250,000

当期にbondを$200,000で購入、U.S. treasury billsを$50,000で購入した、そのときキャッシュフロー計算書上でinvestment activitiesに分類されるnet cash flowはいくつか?という問題。U.S. treasury billsはcash equivalentsとするというヒントあります。

キャッシュフロー計算書上のinvestment activitiesの定義は以下のようなものです。

making and collecting loans, acquiring and disposing of investments and productive long lived assets

具体例思いつきますか?有価証券の売買であったり、有形固定資産の売買、貸付の実行と元本回収。もう少し身近な言葉で想像すると、有価証券とは例えば株式や債券を指します。有形固定資産は設備投資をイメージするとわかりやすいかもしれません。工場で何かを生産するときに使う機械。

問題に戻って、”bond”と”U.S, treasury bill”がinvestment activitiesに合致するかどうかです。答えはbondは含まれ、U.S. treasury billは含まれないので選択肢Cが正解です。

日本語で訳すとbondは社債、u.s. treasury billは財務省短期証券。どちらも有価証券っぽく思えますがなぜu.s. treasury billはinvestment activitiesに含まれないのでしょうか。それはu.s. treasury billは現金同等物だからです。現金$50,000使って現金同等物$50,000買ったわけですが、これはキャッシュフロー計算書上は「何もしていない」という扱いになります。

現金同等物の定義は(a)3ヶ月以内で満期となる、(b)価値の変動を無視できるの2点です。現金同等物の代表例はtreasury bill、commercial paper、money market fundです。time deposit(定期預金)はどちらも可能性があり、特に満期となる期間に注意しながら分類してください。

Q4 キャッシュフロー計算書

Ace Co. issued 1,000 shares of its $10 par value common stock for $15 per share in cash. How should this transaction be reported in Ace’s statement of cash flows for the year of issuance?

A. $15,000 cash inflow from financing activities.

B. $10,000 cash inflow from financing activities and $5,000 adjustment to arrive at cash flows from operating activities.

C. $15,000 cash flow from investing activities.

D. $10,000 cash flow from investing activities and $5,000 adjustment to arrive at cash flows from operating activities.

1株あたり額面価格$10の株式を1000株$15で発行したとき、キャッシュフロー計算書ではどのように整理するかという問題。選択肢を見るとfinancing activities、operating activities、investing activitiesがキーワードとして登場しているので、それぞれの定義や具体例が頭に入っていないと迷ってしまうかもしれません。

まずはキャッシュフロー計算書上のfinancing activitiesの定義は以下のようなものです。

obtaining cash from creditors and repaying the amounts borrowed, and obtaining capital from owners and providing them with a return on/of their investments.

ようするにB/SのLiabilitiesやEquitiesが動くものです。具体例は株式の発行、自己株式の取得、社債の発行・償還、銀行からの借入・返済です。

問題で問われているものは全額financing activitiesに分類できるため選択肢Aが解答。

次にoperating activitiesの定義を確認すると以下のようなものです。

all transaction that are not investing or financing activities

投資活動でも財務活動でもないものは営業活動だという消去法的に定義されているのがoperating activities。具体例はキャッシュインは現金売上、売掛金の回収、前受収益。キャッシュアウトは現金仕入れ、買掛金の支払い、給料のような経費の支払い等。

少しややこしいのが利息や配当。U.S. GAAPでは受取利息、支払利息、受取配当金を営業活動としします。その一方IFRSは2つの方法を選択することが可能です。一度選んだら原則継続が必要です。

1つ目はU.S. GAAPと同じ分類です。これは U.S. GAAPの方法は損益計算に組み込まれるため営業活動としています。

もう1つは受取利息と受取配当金を投資活動、支払利息を財務活動とする方法です。こちらの考え方は受取利息と受取配当金は投資の結果得られるものだと考えます。誰かにお金を貸し付けるから利息が得られるのであって、株式投資をするから受取配当金を得られる、ということです。支払利息は借入に伴うコストと考え、財務活動に分類します。

同じように支払配当金をU.S. GAAPでは財務活動と分類しますが、IFRSは営業活動と財務活動どちらかを選択できます。

Q5 連結財務諸表

Strut Co. has a payable to its parent, Plane Co. In which of the following balance sheets should this payable be reported separately?

順にStrut’s balance sheet /Plane’s consolidatedbalance sheet

A. Yes Yes

B. Yes No

C. No Yes

D. No No

子会社が親会社に対して買掛金を計上しているとき、個別財務諸表のBSでこの買掛金が計上されるのは親会社か、それとも子会社か、それとも両社か。あるいはどちらにも乗らないか。こんな問題です。

ポイントは個別財務諸表について問われていること。買掛金は当然子会社に計上されています。一方、親会社は売掛金が計上されています。したがって正解はB。

仮に連結財務諸表のBS上について問われていたら、相殺消去されるためどちらにも乗らないが正解になります。

Blueprint上は連結財務諸表に分類される問題ですが中途半端に理解しているとどちらにも乗らないという選択肢Dを選んでしまう、ということだと思います。

両社のBSに買掛金が計上される、あるいは親会社に買掛金が計上されている選択肢を選んでしまった方は連結財務諸表以前に個別財務諸表の買掛金を復習し直す必要がありそうです。

Q6 非政府系非営利組織の活動計算書

The primary purpose of a not-for-profit organization’s statement of activities is to provide relevant information to its

A. Resource providers.

B. Managers.

C. Beneficiaries.

D. State regulatory body.

非営利組織の活動計算書の目的について問われている問題。

活動計算書は損益計算書に相当する非営利組織の財務諸表です。非営利組織の会計といえば寄付(contribution)がすぐに思いつく必要があります。寄付は現金、有価証券、建物や機械などの有形資産、特許などの無形資産、専門家や職人のサービスといったように多種多様な方法で供されます。

したがって非営利組織の財務諸表は寄付をしてくれた人たち、あるいはこれから寄付しようか迷っている人たちに対して情報を提供することを目的に作成することは想像が難しくないです。

非政府系の非営利組織はFASBにより規定されるため、基本的には営利組織で習った考え方が通用します。

正解はAのResource providers。Resource providersという言葉はあまりピンとこない人もいるかもしれません。resourceは訳せば財産や資金のことを指しており、つまりは寄付者のことです。

言葉になじみがない人は他の選択肢を消去してAを残す解答の仕方になろうと思います。BのManagersはいろんな意味がありますが、ここでは経営者という意味と思います。(正直管理職でもいいですが)。

CのBeneficiaryは辞書を引くと受益者です。uscpaだとREGで詳しく習います。税法の中でTrust(信託)という方法を通じて財産を移転させるときどういう税金がかかるか・・・という話です。わかりやすいのは遺言信託で、死後何かしらお金なり資産がもらえる人のことを受益者と言います。

DのState regulatory bodyは州の規制当局、行政機関、監督機関…。訳自体はニュアンスがわかってればなんでもいいです。

B、C、Dそれぞれの意味を日本語である程度理解したうえで基本に立ち返ると、 財務諸表はあくまでも投資家への情報開示が目的。 今回は非政府系非営利組織について問われているので投資家ではなく寄付者、とひとひねりありますが他の選択肢が比較的容易に違うだろうと推測できるので正解にはたどり着けると思います。

この問いで学ぶべきはB、C、Dの意味ではなく、あくまでも財務諸表作成の目的は何か、という点に尽きると思います。

おしまいに

いかがでしたでしょうか。こんな調子で少しずつ時間をかけて問題数増やしていきたいと思います。間違っているところは私の力不足なのでご指摘いただけると大変ありがたいです。

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