米国公認会計士(uscpa)取得のメリット・デメリット

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uscpaの勉強を始める決断をすると、お金と時間をたくさん投入するため、いまいち踏ん切りがつきません。勉強を始める前にメリットやデメリットを事前に知っておきたいです。

こんな悩み、ありますよね。私はメリットとデメリットをそれぞれ3点ずつ上げたいと思います。

メリットは以下のとおり。

  1. 社会人にとって非常に受けやすい試験制度
  2. グローバルに通用する
  3. 名刺に米国公認会計士と書ける

デメリットは以下のとおり。

  1. 監査法人や会計コンサルへの転身はかなり茨の道
  2. 受験料等諸々の費用が高い(約40万円ぐらい)
  3. 日本国内での独立開業が難しい

それでは早速私がなぜこれら3点のメリット・デメリットを挙げたかを詳しく解説します。

メリット

社会人にとって非常に受けやすい試験制度

なんにせよ資格である以上合格できないと話になりません。私が実際に働きながら資格勉強を進める上でめちゃくちゃ助かったのがやはり試験制度。思い浮かぶのは2点あります。

1点目は試験日がほぼ毎日あるということ。

uscpaは本業の業務状況や勉強の進捗具合を考えながら試験日を設定できます

2019年現在、1年間365日のうち283日が試験日です。また午前の部(9:00or10:00スタート)か午後の部(13:00or14:00スタート)を選ぶことができるのでスロットとしては566回のうち自分のタイミング合ったところに1科目の試験を設定できます。

私の場合は平日は朝から晩まで働いていて、ときには数週間海外出張に出るときもあります。仕事の波もあり、忙しいときはとても資格勉強に集中できません。

そんな状況下で試験は年一回しか実施しません、日にちや曜日もすべて指定します、なんてことになると結構キツいんですよね。本来仕事は主であって資格勉強は副であるはずなのに気が付いたら資格に合わせて仕事のスケジュール組んでたり…。本末転倒です。というか、そのようにマイペースにスケジュールできない人も多数いるはずです。

2点目は1科目ずつ受けられるということ。

社会人は一日一日をまとまった勉強時間を確保しにくいです。ただでさえ勉強時間が少ないのに4科目に時間を分散させていては結果も出にくいです。1科目集中できるのは合格可能性がグッと上がります

勉強というのは一定の記憶が必要になります。毎日その科目についてなんらか触れないとどんどん忘れていってしまいます。直前期に少しでも距離を取ってしまったら致命的になることも。

同時並行で複数科目の勉強をし、同じ試験日に全科目まとめて受けて合格点を獲得しに行くのは社会人にとってかなりハードルが高い条件です。

試験制度の概要はこちらにまとめていますのでご興味がある方は合わせてお読みください。

関連記事:【2019年9月更新】米国公認会計士試験制度の概要

グローバルに通用する

uscpaを取ると「海外事業へ異動できた」「外資系企業への転職チャンスができた」「英語ができるグローバル人材として扱われるようになった」というキャリアアップにつながるというのは想像しやすいと思います。

私自身はuspca取得後の海外事業で外国人がどう反応するか、という点が結構印象的でした。

ポイントはリスペクトしてくれる専門家だから軽率な対応はできないと良い意味で警戒される、ということです。

もちろん、最後は仕事ができるかできないかであったり人間関係です。仕事がデキる人であったり人間関係が良好であれば塩対応されませんし、話をよく聞いてくれます。ただ初対面でそのような状態に持っていけるファーストパス的な役割を果たしてくれるのはuscpaだと思いました。

名刺に米国公認会計士と書ける

簿記やTOEICは名刺に書けませんので、そこに圧倒的な差があると私は考えています。簿記やTOEICはあくまで例えで、他にも該当する資格はいくらでもあるはずです。

簿記1級やTOEIC900点オーバーが素晴らしいことですが、名刺に書けなければ取引先に自分がそのような実力があることを伝える機会はなかなかありません。

人間というのは名刺交換に際して「会社名」「部署」「役職」「ライセンス」あたりでパッと第一印象的な評価を下すものです。

特に若いうちは役職が低いので、代わりにライセンスで補っていけるメリットはデカいです。

デメリット

監査法人や会計コンサルへの転身はかなり茨の道

日本の公認会計士(以下、「jcpa」という)と真正面から競争することになります。はっきり言って、真正面からぶつかるとuscpaはかなり分が悪いです。

理由は①合格したての段階では専門知識のレベルで大きな差があること、②jcpaがマジョリティの組織であること等のため。

この2点が致命的だと私は考えています。監査法人や会計コンサルに転身すれば普通に行けばuscpaは監査法人や会計コンサルの中でソルジャー扱いされやすいということです。

例外は当然あるでしょう。結局どの組織でも最後はパフォーマンスが高ければよいのです。でも状況があまりに不利です。それをしっかり理解したいところ。

官僚は東大卒の人が多いですよね。官僚トップの事務次官の方も東大卒の方多いですよね。そういうことです。uscpaが組織内でマイノリティである以上厳しい競争を強いられることは自覚しなければなりません。

受験料等諸々の費用が高い(約40万円ぐらい)

あくまでも私がワシントン州で出願してライセンス登録に至るまでにかかった費用は以下のとおりです。

学歴審査:$225

受験料:1科目目は$363.40、残り$283.40×3科目

日本国内受験料:$356.55×4科目

倫理試験受験料:$189

ライセンス登録料:$330

合計:$3,383.80

2019年9月時点の為替レート(約108円=$1)で一括換算すれば37万円ぐらいですね。

予備校代は一切含まれていません受験料だけで約40万円は高いですね。

日本国内での独立開業が難しい

会計士で独立開業というと会計事務所が思い浮かぶと思います。では会計事務所は何をやっているのでしょうか。いわゆる税理士業務を行っているところが多いです。

日本では公認会計士の資格を取ると、税理士としても働けます。公認会計士と税理士の関係性の詳細については主旨から外れるため割愛しますが、簡単に言うと税理士には「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つの独占業務を法的に付与されており、その独占業務を会計事務所が行っているということです。

uscpaは税理士としては働けないため、この独占業務を行えません。よって世間一般でいう会計事務所の独立開業は難しいです。

「できない」とは書かずに「難しい」と表現したのには理由があります。

法的に規制された独占業務さえ行わなければuscpaは理論的には独立開業可能ということです。例えば会計代行業務、経営分析、株式公開支援、企業再編支援等のコンサルティング業務は可能です。

デメリットの克服・軽減方法

外資系企業のファイナンス担当、日系企業の海外事業担当を目指せ

戦うフィールドを選ぶということがまず第一。私は外資系企業のファイナンス職であったり、日系企業の海外事業担当やファイナンス職のほうが相対的に競争環境がゆるく、ゴール設定としてはこちらのほうがよいように思います。ファイナンス職というのは経理部や財務部、企画部あたりをイメージしています。

ただし、現職から一発でこういったところに転身できない人もいると思います。その場合は監査法人等で修業を積んで専門性と実務経験を積んでからチャレンジするというキャリア形成の仕方もありと思います。

監査法人や会計コンサルは2019年現在ではuscpaでも採用の需要がたくさんあります。 一つ経由してたどり着きたいところに向かうという可能性はぜひ考えたいところ。

もちろん、現状の勤めている会社よりも監査法人や会計コンサルのソルジャー枠のほうがはるかに待遇がよくなるという方、自己承認欲求が満たされるという方はこちらをゴールに設定するとよいと思います。

現職の資格補助制度をフル活用せよ

私の会社ではライセンス登録したら満額費用を補助してもらいました。予備校代は残念ながら出ませんでしたが…。

uscpaはそれなりの会社であれば人事制度上認知されていて、補助が出るケースも多いと思います。合格したら全額返ってくる、という保証付きで勉強を始められたら心理的な抵抗はかなり下がりますよね。

会社にuscpaの資格補助制度がない場合、その会社ではuscpa取得しても活かせる場所はありませんよ、という会社のサインかもしれませんので要注意です

そういった支援のない会社でuscpaを活かそうと思ったら転職の道を考えねばならず大変です。資格取得後、社内でキャリアアップを目指すのか、転職してキャリアアップを目指すのか選択肢があったほうが私はいいと思います。

日本国内での独立開業は基本的に諦めろ

まだ時代が追いついていません。uscpa取得から独立開業につなぐ直接的な線はあまりないかもしれません。

独立開業を最優先するのであればjcpaや税理士、弁護士、司法書士、中小企業診断士、社会保険労務士等別の選択肢を検討したほうがよいです。

uscpaが日本国内で生きようと思ったら基本的には企業に属することと思います。

コンサルティングで独立開業した事例はぜひ知りたいところではあります。

おしまいに

いかがでしたでしょうか。uscpaのメリットとデメリットは他にもたくさんあると思いますが、私なりに3点ずつに絞ってみたらこんな感じで整理できました。

勉強開始の踏ん切りがつかない人はぜひ参考にしてください。

メリット・デメリットを再掲しておきますね。

<メリット>

  1. 社会人にとって非常に受けやすい試験制度
  2. グローバルに通用する
  3. 名刺に米国公認会計士と書ける

<デメリット>

  1. 監査法人や会計コンサルへの転身はかなり茨の道
  2. 受験料等諸々の費用が高い(約40万円ぐらい)
  3. 日本国内で会計事務所の独立開業が難しい

関連記事:米国公認会計士(uscpa)のおすすめ予備校【大手4校比較】

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